逆行天体のアーキタイプ~水星~

年に3〜4回ほど逆行する水星。おおよそ5人に1人が、水星逆行を出生図に持つ計算になります。

その『水星逆行のアーキタイプ』を進化占星術的観点で理解するのに良さそうなジェフ・グリーンの過去の講義記事がありましたので、ご紹介いたします。

水星


水星逆行を出生図に持つ人々は、(この水星逆行を持って生まれる以前の)過去世において、自分たちの存在を知的に説明できる理論的構造を築くため、様々な方面から無差別に情報を収集していた人々である。

しかし、無差別に様々な情報を収集することによって、矛盾した情報を蓄積することにもなり、彼らの魂は知的混乱を経験していただろう。よって、現世で水星逆行を持つ人々の進化の意図は、不必要な情報を拒否し、手放すということにある。

なかでも特に、自分自身の存在意義に直結する情報に沿って、情報の知的簡略化を図るという意図があるのだ。それはつまり、彼らが外部から受け入れた、もしくは既存の一般的な情報体系を疑問視し、自分の内側を見つめることによって、自分自身の意見を発達させ、情報の独自化を図るということでもある。

<生徒>それは、個人的真実と社会的真実の違いということになりますか?

<ジェフ> そうだ。よって、ここで正反対のアーキタイプが生じることになる。

水星の性質は、外面化と客観化することにあるが、逆行の性質とは、むしろ内面化であるからである。結果として、水星逆行を持つ人々は、彼らの意図を反映しない知識や、不必要な情報にさらされた場合、反射的にそれらを跳ね除けるような傾向があるだろう。彼らの魂が、不必要な情報を取り入れないようにしているのだ。

この性質は、概念を理解したりすることを軽視し、ただ丸暗記に徹するような教育システムの下で育つ子供たちにとっては、問題となりうるだろう。実際そういった場合、彼らは学習に時間が掛かる生徒たちとしてレッテルを貼られてしまうケースも多いのである。

我々は、水星逆行を持つ教師によって教えられる、水星逆行を持つ子供たちのための学校を設立すべきだと長年訴えてきているのだが・・・きっと魂の波長が調和的で、(水星逆行を持つ人にとって)とても素晴らしい教育の場となることだろう。

また、水星逆行は左脳から右脳へと注意を向けさせるものである。左脳は直線的なものの捉え方をするが、右脳はそうではない。左脳は事実に基づいたアプローチをするが、右脳はもっと直感的なアプローチである。

よって、水星逆行を持つ人々は、進化の意図という観点からすると、彼らが求めている情報や知識の源として直感を信頼する、ということを学び始めているプロセスにあるといってもよい。彼らは引き続き外界に情報源を求めて入るだろうが、それが彼らの魂の意図とニーズに合ったものでなければならないからである。

水星逆行の人々が自分の意図とニーズにあった情報にフォーカスした場合、写真に写すように正確で、類まれな記憶力を発揮する場合がある。また、水星逆行の人々はそのアーキタイプと調和が取れているときには、話すべき理由があるときのみ口を開くだろう。逆にそのアーキタイプと不調和が生じている場合は、話しが止まらなく、噂話にばかり花を咲かせてしまうようなこともあるのである。

トランジットの水星が逆行するときは、我々が集合的にこの作用の影響を受けることになるのだ。そして、出生図に対してのプログレスで水星が逆行に転じた時も同じである。

<School of Evolutionary Astrology 『逆行天体の進化的意味について』より水星部分を抜粋翻訳>

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