ジェフ:今朝の話題は、進化がどのような過程を経て進んでいくかについてだ。いくつかのアーキタイプ、主に、冥王星のトランジット、また、冥王星のプログレスに焦点を当ててみよう。トランジットの月の軸について話そう。ここにいる大半の人にとっては、今まで聞いたことがない話がでてくることだろう。この特定の点を説明するために、かの有名なクリントンとルインスキーの例を使うことにする。そこから、他のトランジットの象徴、例えば土星や木星の周期などについて話していこう。
まず最初に話したいのは、進化そのものの性質についてだ。進化というものは明らかに自然の法則だ。地球上に特定の哲学体系というものも存在していることは確かで、そのことに議論の余地はない。実際、進化には二種類ある。まずは、斉一説と呼ばれるダーウィンのシステムだ。この理論は、魚座でスーパーコンジャンクションが起きた1800年代にダーウィンによって組み立てられた。
では早速「斉一説」というものの性質について考えてみよう。この理論はナポレオン戦争の直後、人々が混乱でなくシンプルさを求めていた頃のものだ。そこにダーウィンが登場し、この特定の理論を打ち立てた。天変地異説に対立するものとして位置付けられている斉一説の均一な進化とは、ゆっくりとした継続的な変化を意味する。
もう一つのタイプの進化は、地殻変動的進化と呼ぶことができるものだ。それは明らかに、火山噴火のような大変動を意味する。愛する人の突然の予期せぬ死、または恋人が家に帰ってきて「私には新しい恋人がいます」と告白する:これらは、我々ほぼ全員にとって大変動の出来事だ。多くの人の人生が、継続的な変化をベースに、大変動の出来事が時折発生し、それらの進化によって特徴づけられている。それが決まりごとだ。
一方で、決まりごとには常に例外もある。一部の人々には、一生が大変動の出来事の連続になるかもしれない。他の人々には大変動の出来事が起きないかもしれない。これは明らかに易経に反映されている象徴体系であり、極みだ。易経は自然の法則を反映している。
そこで我々は問いかける:大変動の出来事を進化的に必要としているのは何か?原因は二つ考えられる。
一つは、冥王星、つまり必要な成長に抵抗することだ。針がタコメーターの赤い線に到達したときにギアを変えないと、エンジンが吹き飛ばされてしまう。断層線がストレスの臨界点に達するとブッツリ切れてしまう。地震も起きる。同様に、一部の人々は成長の必要性に抵抗する。そして、その抵抗そのものが原因、つまり臨界質量になるのだ。そして、それは大変動のような出来事を突然発生させる。
なぜ成長することに抵抗しようとするのか? 答えは感情的な問題に起因している:我々は安心感を必要とするだからだ。そして安心感は、我々の過去との整合性という機能でもある。多くの人は、安心を得るために一貫性や整合性を必要とする。一貫性は過去の延長から来ている。我々が未来の存在を推測できる唯一の方法は、既に過去があり、現在の瞬間がその過去の未来だったからだ。過去は本物だ。現在は本物だ。だが、我々はまだ未来を生きていないから、未来は抽象的で未知だ。我々の多くがしがちなことは、未知についての不安な気持ちを避けるために、現在の瞬間だけでなく未来に対しても、過去を投影してしまうことだ。したがって過去を再現する傾向となる。
今日この中で何人が、絶対的な不安感を、安心かつ自由な気持ちで受け入れて、それでもいい気分でいることができるだろうか?
(ジェフは部屋の中を見回す。)
一人もいやしない!(一同、笑う)我々は安心感を得るために、自分の居場所を超えて成長する必要性に抵抗しがちなのだ。成長の必要性が爆発的に跳ね上がるような状態に達すると、我々は大変動の出来事を起こし、成長の進化的な必要性を増幅させる。
生徒:蠍座や8ハウスの影響力の強い人は、例えば、牡牛座や2ハウスの影響力がある人よりも大変動の出来事をうまく乗り切れると思いますか?
ジェフ:いや、そうは思わない。どちらの場合も固定宮のアーキタイプを扱っているからね。重々しい8ハウス、蠍座や牡牛座のタイプの性質がある場合、相方が家に帰ってきて「おい、パーティーに行こう」と言うところを想像してみてほしい。典型的な固定宮の反射的な応答は「行かない」だろう。その理由は、彼らは、そのアイディアや考えにまず慣れる必要があるからだ。そして、彼らがそれに慣れたら、行くと言うかもしれない。だが本能的な反応からするとそれは「行かない」となる。なぜならそれが固定宮の性質だからだ。
したがって、魂の成長のための進化の必要性と関連するが、魂の明らかな協力の有無にかかわらず成長が起きたら、この臨界質量という爆発的に跳ね上がるような瞬間に達するのだ。
この中でこういった経験がある人は何人くらいいるだろう? 突然、この大変動の出来事が起きたという経験だ。予期せず、突然、どこからともなくやってくる、地震のような。
生徒:先生は、魂は進化の意図に抵抗できると言っていますが、魂は進化の意図の形成の一端を担っているのだと思っていましたが?
ジェフ:確かに魂は人生から人生へと進化の意図を生み出す。しかし、たとえ、魂自身の内部に、現在進行中の進化の必要性のための様々な意図があるとしても、魂は同時に内部からのその意図に抵抗することもできるのだ。この抵抗と、抵抗の原因を超えて進化しようとする意図は、魂の内側で発生するだろう。そして、これらは、魂がその人生において創り出すエゴ(自我)を通じて反映される。ほとんどの人にとって、意識の重心は魂の中にない。その重心は自我の中にある。そして自我は、魂と内面との間に生じる葛藤と緊張を反映するのだ。魂の内側に存在するこの非常にダイナミックな力学が大変動の出来事を起こし、魂の進化を進める要因となっているのだ。
この中で何人が大変動の出来事を楽しんでいるかな? (一同、笑う)マゾじゃないよね?
いずれにせよ、進化には二つのタイプがある。出生図を見ると、特定の人生においてどんなタイプの進化を経験できるのか、そして与えられた人生における魂の意図が何なのかを実際推測することができるだろう。
例えば、冥王星が他の全ての惑星とアスペクトを形成する出生図があるとする。そして、冥王星のアスペクトが一つか二つしかないもう一つの出生図があるとしよう。冥王星が他の全ての惑星とアスペクトを形成している方が、冥王星のアスペクトが一つか二つのものよりも、はるかに大変動型の進化によって定義された人生を送ると言えるのではなかろうか?それは非現実的な推測だろうか?
また、アスペクトの性質についても考えることができるだろう。冥王星や8ハウスの支配星に緊張的なアスペクトがある場合、または蠍座にある惑星に緊張的なアスペクトがある場合、これは大変動型の進化と関連する傾向がある。我々の大半は、冥王星的視点において困難な経験を人生でするとき、その経験についてある程度の視野を保ち、解決できる力を持つために、なぜその出来事が起きているのかを知りたがるものだ。
大変動の出来事の問題は、出来事の渦中においてそういった理解がほとんど得られないことだ。場合によっては、その後長い間、それらが起こった理由を理解できないかもしれない。
あなた方の中で、何人がそういったことを経験しただろうか? それを心地よいと感じただろうか? そこから先に進むのは簡単だと思っただろうか?
人生においては、解決できないこともある。そういったとき、視野が得られないという感覚に陥るだろう。完全な理解は得られないのだ。そのような出来事を経験しているクライアントに、もしくはあなたがそれらを経験していたら、自分自身に何と言うだろう。問題を解決し、終了させ、視野を手に入れたいという強い動機と必要性があるときに何と言うだろう。あなたが唯一言えるとすれば「我々の人生には解決できないことがある。とにかくそういうものであり、我々は生き続けなければならない。別の人生では理解できるかもしれないが」だ。 それはあなたが自分自身に伝えたいこと、またはクライアントに伝えたいことなので、彼らは解決策を探すのをやめ、その場所で立ち往生せず、人生を続けることができるようになるのだ。
これらは典型的な冥王星の現象であり、冥王星を含む緊張的なトランジット、または冥王星が絡むプログレスに関連している。 信じられないかもしれないが、「緊張のないアスペクト」もまた大変動の出来事を引き起こすことがあるのだ。ただし、違いは、緊張の少ないアスペクトでは、出来事が起きているときでも、出来事を理解する魂の能力ははるかに高くなる傾向にあることだ。その人はその出来事を気に入らないかもしれないが、理解はする。時としてこれら非緊張的なアスペクトは、我々がポジティブなカルマと呼ぶものを具現化することがある:それは、魂が準備していた特定の機会やチャンスとなるものだ。
生徒:コンジャンクションは緊張と非緊張のどちらとして言及されていますか?
ジェフ:非常に大変動になる場合もあれば、そうでない場合もある。その出生図の全体の特徴を理解する必要がある。バルサミック型のコンジャンクション(注釈1)がある場合、大変動の出来事を引き起こす傾向がある。それは、何かを最高潮にし、それを終わらせるという進化の必要性と関連している。
別の例は、新しい段階のコンジャンクションだ。(注釈2) こちらも場合によって大変動の出来事を引き起こす。なぜなら、その衝動は、真新しい人生体験を生み出すからだ。魂である冥王星がその進化の意図を明らかにするやり方は四つある。そのうち二つは非・大変動で、もう二つは大変動だ。
最も一般的なやり方は、魂が必要と感じているがまだ手に入れていない何か、誰か、もしくは象徴に対して、何らかの関係を形成することだ。その関係を形成することにより、冥王星的な浸透が起こり、そこで魂はそれが関係するものになる。その浸透が進化を引き起こすのだ。
簡単な例として:ある時点で、あなたがた全員が占星術に興味を持ち、それと関係を築いた。それを学んだ。それについて考えた。そして、それを自分自身にある種の「浸透」させることによって、進化した。あなたは占星術との関係のおかげで、今まで以上の何かになったのだ。
この進化の実現方法で最も一般的なのは、人間関係を通じて行われるものだ。ほとんどの人は関係を形成する。なぜなら、相手が、自分が必要とし望んでいるがまだ持っていないものを表しているからだ。この人間関係を体験する過程で、冥王星の浸透が生じる。分かるだろうか?
これが、父権制社会の威圧感を持った現実の中での非常に多くの関係性が、利用することと必要とされることに基づいている理由だ。だからこそ我々は小細工や誤魔化しをするのであり、そしてそれは自暴自棄や背徳、そして喪失を生み出す。
冥王星がその進化的な意図をもたらす別のやり方は、もう一つの典型的な冥王星の経験、つまり停滞によるものだ。停滞も大変動になる可能性がある。突然、誰かが自分の成長が止まったと感じる。そして自分の人生は無意味だと感じる。だがこのことは、なぜそう感じるかに気付くという意味ではない。魂は通常、理由を知るために外面的な人生から撤退する。そしてこの撤退の最悪の形態は緊張病につながる可能性があるのだ。
生徒:実際、理解がない状態で、進化はありますか?
ジェフ:ある。後で理解が生まれるからね。
生徒:つまりこれは単なる心理的な障害のようなもので、理解をするために必要なのですか?
ジェフ:心理的な障害ではない。それは完全に自然な人間の感情だ。安心感や安定感にもつながっていたりする。
冥王星がその進化的な意図を明らかにする別のやり方は、潜在的な能力や才能に気付いたら、それに対して行動し、進化するというやり方だ。我々の多くにとって、このやり方は大変動でない傾向がある。
例えば、ジミー・カーターが大統領に立候補することを決意したとき、冥王星は彼の太陽を通過していた。「ああ、私は大統領になることができた」 と。このことは、確かに彼に進化をもたらしたのではないだろうか。
そして、冥王星がその進化の意図を実行する最後の方法は、誰かがある特定の状況や人や物にこだわり過ぎていて、そのこだわりが成長を妨げるほどの度合いの場合だ。我々は何かに固執しようとする。もし進化が起こり、変化が必要になったときに、そのまま固執し続けると、本人の意思にかかわらず、そのこだわりの対象は取り除かれてしまうのだ。我々大半にとって、そのことは大変動の出来事につながりやすい。
ということで、このように、四つの自然の形がある。これらは、単に自然の法則であり、普遍的な人生経験だ。これらは信念体系とは何の関係もない。全ては我々の人生経験と関連している。
ここで運命の概念を扱うこともできる。運命の簡単な定義は、何かが運命づけられるときは、あなたが何をしても、それはとにかく起こるということだ。それは起こるように意図されている。運命は明らかに進化を意味する。そして「運命的な」大変動の出来事の原因となる要素はカルマの問題にもなり得る。
私が通りに出て、自分の娯楽のために誰かを殺すとしよう。次の瞬間、私自身が殺されるか、またはカルマの必然的結果が別の人生に現れるかもしれない。いつも即座にカルマがあるとは限らない。もし別の人生にカルマが現れたら、恐らく私は通りを歩いていて、誰かが私の頭を吹き飛ばしているかもしれない。来世において、私は全くそれについて何の見解も持ってないだろう。なぜなら私は過去世の記憶を恐らく持っていないからだ。私が何を伝えようとしているのか分かるだろうか?つまり、カルマの原因を伴う出来事は明らかに大変動となる可能性がある。今世の状況での原因を理解していない場合は特にだ。
ときには、冥王星のトランジットを通して、このプロセスの働きを見ることができる。ときにはトランジット中に、過去世の行動に基づいた我々自身のカルマの要素が決着を迫ってくることがある。早速、スター独立検査官、モニカ・ルインスキー、そしてビル・クリントンと、これら全てがどうつながるかを見ていこう。
このクリントンのドタバタ劇全体は、彼の出生図の3ハウスにある月のサウスノードに冥王星が通過していることに関連していた。そのため、実際の大統領職の危機ではなく、メディアの危機の方がはるかに色濃くなった。クリントンは、米国のメディアの議題とその動機を世間の目に晒す避雷針になった。もちろん、メディアはあなたにそんな視点を見せてはいない!
次に検討する手段は、トランジットの月のノード軸だ。それがどのように機能するかを説明しよう。
星座は何でも良いとしてトランジットの月のノースノードがあるとしよう。我々は集団としてその作用を受けている。しかし、個人的な作用も受けている。例えば、現在、トランジットの月のノードは水瓶座と獅子座にある。我々全員にとって、水瓶座を通過中の月のサウスノードがあるということでもある。ほら、それが米国の選挙にどのように反映されているか見てごらん。ギングリッチは辞任したばかりだよね? ハレルヤ!
個人的レベルでは、我々全員それぞれの出生図上のどこか特定のハウスを月のノード軸が通過しているのだ。例えばそれを4ハウスと10ハウスとしよう。
さて、これは私が表向きの問題と呼んでいるものと関連する。もし、これらトランジットのノードの星座の支配星を見つけたならば──この場合は、トランジットのサウスノードが水瓶座にあるから、出生時の天王星としよう──出生時の天王星がどこにあっても、それが実際的な問題になるのだ。したがって、トランジットの月のノードは表向きの問題を示す一方で、出生図におけるトランジットの月のノードの星座の支配星の位置は、実際の問題を示すことになる。ここでいう表向きと実際の違いが分かるかな?
例えば、私の6ハウスを通過中の月のサウスノードがあり、そのサウスノードの惑星の支配星が出生図の2ハウスにあるとしよう。 一方で、サウスノードが6ハウスを通過するという表向きの問題があるが、実際の問題は、通過するノードの惑星の支配星の出生時のハウスの位置によって示される。この図では2ハウスだ。 では、単純な推論を行うとして、6ハウスを通過中の月のサウスノードと同一視できる表向きの問題は何だろうか。
生徒:仕事または健康です。
ジェフ:仕事か健康か。では、トランジットの月のノードの支配星が出生図の2ハウスにある場合、実際の問題は何だろう?
生徒:つまり。
生徒:安心です。
生徒:6ハウスの限界が原因となる自己価値の欠如でしょうか?
ジェフ:少しおさらいする必要があるかもしれないな。なぜなら常に全てを状況に応じて理解する必要があるからだ。ここに含まれるアーキタイプを実際の個々の状況に当てはめてみよう。
この人物に6ハウス・牡羊座を通過中の月のサウスノードがあるとしよう、そして月のサウスノードの支配星である火星が出生図の2ハウスにあるとする。そして、この人物が20年間働いており、その間ずっと家族全員をサポートしてきたとしよう。それが実際の状況だ。出生図の2ハウスの火星が支配している月のサウスノードの意味はどうなるかな?
生徒:彼女は疲れています。
ジェフ:それはこの人物が、20 年間において彼または彼女自身を犠牲にすることに今、疲れて怒っていることを意味する:月のサウスノードは6ハウスを通過中だ。そうだね?そして、彼女は何に対して怒っている?2ハウスの火星に関してだ。私が何を伝えようとしているか分かるだろうか?そして今、実際の問題は何だろう?自分のために何かを手に入れよう!だ。なぜなら、牡牛座や2ハウスは金星支配のアーキタイプであることを覚えておく必要がある。
では、実際の問題はどうなる?この人物は、ただ犠牲を払って与えるだけではなく、何かを受け取り始めたいと思っている。このシナリオでは、トランジットの月のノースノードは12ハウス・天秤座にあり、我々が今解ろうとしていること全てを確証している。私が何を伝えようとしているか分かるだろうか?
突然、彼女はこの20年間の犠牲に決着をつけたいと腹を立てていた。これはトランジットの月のサウスノードと関係している。彼女はこれら表向きの問題で全てでっち上げることができる:仕事に疲れたという発言を多くするはずだ。あなたが実際にそのクライアントに会ったら、恐らくそんな愚痴を聞かされることになるだろう。だが、実際の問題を特定できれば、そのクライアント自身が本当の問題をきちんと認識するよう手助けできる。そうすれば、彼女はそれについて家族にもっと率直に話せるだろう。我々は家族がどんな選択をするのか予想することはできないが、少なくともそのクライアントに自分を取り戻させることができる。
生徒:ノードが逆になる場合、どのように変化しますか?月のノースノードが6ハウスの牡羊座になるとすると?
ジェフ:まず、トランジットのノースノードとサウスノードの違いを理解する必要がある。サウスノードは過去からの何かに決着をつけようとする。
生徒:では、この実際と表向きの問題の力学は、トランジットのサウスノードにのみ適用されますか?
ジェフ:過去からの何かに決着をつけるという点では、そうだ。もし個人が過去の精算を受け入れたら、ノースノードは、未来がどうなるかを示す。私の例では、天秤座を通過中の月のノースノードの根本的な問題は何だった?そう、受け取るということだ。この問題を理解することで、このクライアントに人生の全く新しい方向性を示すことができる。それが要点の全てだ。
生徒:彼女がそれについてもっと意識しているなら、その場を立ち去り、自分のために何かすることを選ぶことができるでしょう。しかし彼女が無意識だったら、仕事を解雇されたりするのでしょうか?
ジェフ:無意識だったら、そのシナリオに一定の期間が割かれるだろう。彼女が突然怒りを爆発させ、全てについて不平を言い、全てに落ち度を見つけるという期間だ。一緒に暮らすには持ってこいだね?(笑い)
生徒:もしトランジットのノードまたはその支配星から、出生図上に重要なアスペクトがあるとしたら、それら全てのアスペクトに影響がありますか?
ジェフ:あるね。
生徒:誰かの出生図の水瓶座・獅子座間の軸のハウスや星座と関連していますか?この現在通過中のノードは?
ジェフ:そうだね。私自身の出生図を使って説明しよう。トランジットの月のサウスノードは、私の4ハウス・水瓶座にある。トランジットの月のノースノードは私の10ハウス・獅子座にある。私は昨日飛行機の中で、旅行し過ぎるのをやめようと決めた。キャリアに対する方向性を完全に変え、その全てを管理し、執筆に主な焦点を当てることを決めたのだ。この突然の変化、または解放が分かるかな:水瓶座の月のサウスノードだ、長い間存在していたものからの解放だということが? それは、私の出生時の8ハウスにある双子座の天王星につながる。実際の問題は、私が魂について書きたいということだ。トランジットの月のノースノードは獅子座にあり私の4ハウスとオポジションだ。太陽は獅子座を支配する。私は自分のキャリアをもっと自己管理したいし、旅行に疲れたのだ。(一同、笑う)
生徒:では、ここにずっといてくださいよ。(一同、笑う)
ジェフ:そして、それは素晴らしい。私はその決定により解放されたと感じた。私は過去20年間、月に一回出張し講演を行っている。ただ、もう疲れたのだ。私が決断した場所を見てくれ:機内だ。大気中だよ? 水瓶座だ。
我々はノースノードに、進化の観点での方向性を反映する状況を見る。惑星の支配星に立ち戻り、ノースノードが通過しているハウスや星座によって象徴されている話やアーキタイプを反映するような選択をすれば、我々は成長していると言える。分かるかな?(一同、同意する)
ノード軸が通過中のハウス、星座、およびアスペクトは過去を反映する力学を生み出すことと相関する傾向がある。そして我々に選択肢が与えられる。古い力学が発動されたという理由で、古い選択肢が反映されている選択をし続けるのか。それとも、それらの力学を物ともせず新しい選択がすることができるのだろうか?
生徒:トランジットのサウスノードは過去を呼び起こすとおっしゃっているのでしょうか?
ジェフ:そうだ。
生徒:トランジットのサウスノードが出生時の月のノースノードとコンジャンクションの場合はどうなりますか?
ジェフ:それは事実上同じだ。あなたは過去の状態を反映した状況を作り出しており、それら過去の問題にかかわらず新しい選択をするか、同じ古い選択をするかの選択肢が与えられている。そして古い選択をしたなら、どうだろう? 成長は見られないということだ。
トランジットの月のノードが、出生時の月のノード軸にスクエアになることを私はクロスロード(交差点)と呼ぶ。クロスロードは、行動の危機、または信念の危機と相関関係がある。
クリントンにまつわる全ては、乙女座・魚座を通過中の月のノード軸により決着を迫られた。彼の月のノード軸は射手座・双子座だ。スクエアのアスペクトがある。彼は確実にクロスロードを見ていたのではないだろうか?ケネス・スターには、8ハウス・乙女座で出生時の火星と金星がコンジャンクションしている。この状況に決着を迫ったのは、ちょうどこの乙女座を通過中の月のノースノードだ。さて、これは単なる偶然だろうか、それとも、シンクロニシティと関係しているのだろうか?私が何を言わんとしているかお分かりかな?(一同、同意する)
どうして月のノード軸は18歳のときに出生時の位置に戻るのだろうか? 歴史を学ぶと、少なくとも父権制社会では、これが、男性が自分の人生の方向性を持つことを意図された時期だと分かる。私が言おうとしているか分かるだろうか? 私が今日話しているこれら全ての構成は、進化の過程と呼ばれ、それらは非常に重要な出来事だ。我々の選択は我々の人生の方向性を形作る。それこそが我々が見てみたいと思っているものだ。
もちろん、他の全ての種類の占星術の現象も進化の過程と相関関係にある。古典的なものでは土星の周期だ。およそ7歳で、トランジットの土星は出生時の位置と最初にスクエアになる。我々のほとんどは、7歳または8歳のときに、突然、死ぬべき運命に気付く、土星だ。一定の時間や寿命を全うするための土星だ。生きるための土星だ。この気付きは、感情的な成熟プロセスを開始する。また文化と関連した、意識の原始的条件付けを作動する。ここであなたは自分がアメリカ人だ、チベット人だ、カナダ人だと認識し始めるのだ。このときに、文化の刷り込みが我々のアイデンティティを型取り始め、それは現状の文化の条件付けを通して行われる。我々全員にとって、これは移行の段階と言えるのではないだろうか?
土星は14歳のときにオポジションに位置する。同時に12歳で火星が回帰する。12歳で木星が回帰する。我々の大半は、12歳から14歳のことを覚えているだろう?
突然、高校なのか両親なのか社会なのか、我々は外部の権威と対立しなければならなくなる。必要な反逆だ。どうしてだろう?魂は自身の権威を発見しようとする。それは感情的な成熟プロセスが加速することだ。これは過渡期と呼べるのではないだろうか?この中でお子さんがいる人は?(多くの手が上がる)
「魔の2歳児」という言葉を聞いたことがあるだろう。これは最初のマーズリターン(火星回帰)につながる。火星は2年周期だ。赤ちゃんは何をしようとする?独自の個性を主張するのだ。この主張が必要だから、赤ちゃんは親が課そうとする制限に対して聞き分けよく対応しないのだ。それが「魔の2歳児」と呼ばれる理由だ。だが、これは赤ちゃんにとって必要な過程だ。赤ちゃんをこのように観察すると赤ちゃんに2年の周期があることが分かる。そして、あなたが親である場合、常に赤ちゃんの行く先々、追いつくことに必死だ。どこにいるかに慣れたかと思ったら・・・おっと、あんなところに行ってしまった。本当に面白い。9人の子供を育てた私にとって魅力的なことだった。
クリントンについて少し説明しよう。彼は出生時の月のサウスノードが射手座に、そして火星と海王星が天秤座でコンジャンクションしている。この一連の件が崩れ去ったとき、ご覧の通りトランジットの月のノードは乙女座と魚座にあった。この表向きの問題と実際の問題の違いを見てみよう。
早速、何が見えたかな?スター検査官と共和党員がこの男性にたくさん迫害をしているのが見えただろう。たくさんの批判だ。したがって、クリントンの6ハウスを通過中の月のサウスノードに表向きの問題を探すとしよう。これが、クリントンが職場で経験していた6ハウスの現象であることに同意できるかな?
生徒:できます。
ジェフ:では、どの惑星が、トランジットの魚座の月のサウスノードを支配しているかな?海王星だ!そして、ここで実際に見える根本的な問題は、1ハウスで火星と海王星がコンジャンクションしていることだ。1ハウスのナチュラルサインとしての支配星は火星である。(注釈3) 批評家による根本的な問題は何だった?性的な問題ではなかったかな?クリントン自身の根本的な問題は何だった?この惑星の配置はあなたに何を教えてくれる?クリントンだけでなく誰かの出生図に同じ問題があったら、どう見るだろう。個人がどんな性的なベースや考えを持っているかという点を、どう捉えるだろうか?ここでは、1ハウス・天秤座にある火星と海王星のコンジャンクションについて話している。
生徒:激しい性的欲求です。
ジェフ:まあ、8ハウスの冥王星にも、この男性の牡牛座の月によって明確に示されている激しい性的欲求があるな。
生徒:混乱では?
ジェフ:我々はここで、魂、つまり、欲し続けた性的経験を得るために、転生を繰り返しながら個人的な権利を自分自身に与え続けた魂を見るだろう。制限の意識は持たずにね。牡羊座に関連するハウスである1ハウスに、火星と海王星がある。牡羊座は制限を望んでいない。牡羊座は願望を達成するために欲し、自分自身に権利を与える。
また、彼の性的な側面全体は海王星に関連付けられている。これは彼の場合「きれいなスカート」に魅力を感じるという潜在的な兆候ではなかろうか?天秤座だ。「可愛い顔のために馬鹿をみる」という決まり文句は何だろう。海王星のせいで、彼はたくさんの性的妄想を抱いただろう。きれいなスカートを履いた可愛い顔が妄想を誘発するのだ。しかし、妄想にとどまらず、それはモニカ・ルインスキーのような人々に興味関心を持つことも誘発するだろう。
ここで火星が何を言わんとしているか見てみよう。これは金星に支配された火星であり、彼女自身がワシントンに行く前から彼女の言葉で言うなれば「大統領の膝当てを手に入れるために(オーラルセックスを施す意)」そこに行きたがっていた。違うかな?
生徒:そうです(一同、笑う)
ジェフ:そろそろ私は行かねば(一同、笑う)
つまり、彼女は、ここで少し土地言葉を使うと「度胸のある」女性だった。火星、だね?彼はその種の女性に魅力を感じたのだろう。受け身タイプだけでなく。そして、これを8ハウスの月という文脈で解釈するならば、月のアーキタイプによって条件付けされたセクシュアリティを持っている場合、オーラルセックスとのつながりがしばしば見られる。そして冥王星はその月とスクエアだ。彼にとって、あなたがここまでの話を理解しているなら、オーラルセックスだけで女性と関わっていることは「安全」だった。冥王星にスクエアの月は、タブーに対して魅力的な要素を感じるということを意味する。ということで、実際の問題と表向きの問題について私が言わんとしていることがお分かりいただけたら幸いだ。この全ての道徳ドラマを覚えているかな? 「家族の価値観」を巡る旅だ。と同時に他の全ての要素に決着がつくという冥王星のアスペクトだ。
トランジットの月のノースノードは乙女座にあった。それでは、この象徴性は何を示唆している?この男性は彼なりに殉教者として利用される必要があったと私には思える:月のノースノードが彼の12ハウスを通過していたことを思い出してくれ。
だが、殉教者として利用されるという意図は何だろう? 一つは、実際の危機を示すためであり、ここではメディアの危機、まるでメディアが我々から切り離されていて、兎にも角にも我々に売り付けようとしているかのような危機──射手座の、何を信じるのかだ。覚えているかな、水星はそのときの月のノースノードを支配していた:水星だ、メディアだ。水瓶座を通過中の海王星と天王星により、人口の大部分はメディアに反抗していた。人々は概ね、射手座、つまり実際に起きていることの真実を理解していたからだ。その男は浮気をした。同意した二人の大人だった。
メディアに何が起こったかに注目してくれ。それ自身の魂の探索を経ていないか?解決を求めてメディアは、自分自身を本気で見つめる必要があった。乙女座だ。メディアはそれ自身、偏見の立場にあるということだ。ここで露呈されたのは、メディアの大半は、クリントンに対して偏見を抱いていたということだ。
例えば、ワシントンD.C.には、1950年代から夕方のニュースを監視して、大統領の報道され方を判定している非党派組織がある。クリントンが大統領になるまで、どの大統領に関する報告も基本的には否定的肯定的がそれぞれ半々だった。彼が大統領になったとき、彼に関する夕方のニュース報告の比率のうち70%は否定的、30%が肯定的になった。この乙女座の事実は、米国のメディアによって全く報道されていない。どうして?なぜならそれは暴露を意味するからだ:冥王星だよ。
生徒:ジェフ、これ以前に彼が抱えていた問題は何でしたか?
ジェフ:クリントン自身の問題は何だったかということかな?
生徒:はい。
ジェフ:私の意見では、感情的な不正直だろう。この特定の状況では、冥王星にスクエアの彼の8ハウスの月と関係があるだろう。
生徒:この出来事の前から彼は感情的に自分自身に正直であるべきだった、ということですね?人生で起きることに対して?
ジェフ:そうだ、そしてそのために、彼は6ハウスの公的な屈辱という表向きの問題に引き寄せられなければならなかった。冥王星にスクエアの8ハウスの月の硬さと強さをぶち壊すために。ということで華々しく我々の議論を終わらせる前に、ここまでで何か質問は?
生徒:感情的な不正直さだと示したのは、冥王星へのスクエアでしたか?
ジェフ:そうだ。今回の件、つまり今調べている状況においては、そうだ。覚えておいてくれ。占星術は、状況の観察に従って影響が出てくる。そして今回の案件は、冥王星にスクエアを形成している8ハウスの月がある人全てが感情的に不正直だという意味ではない。この特定のケースが、我々が最初に言ったことを反映することに注目してくれ。冥王星に緊張的なアスペクトがある潜在的な大変動だ。この場合、性的な問題と感情的な不正直につながる。
生徒:しかし、冥王星へのスクエアがなかったら、その意図は必ずしも成立しないのではありませんか?
ジェフ:そうだ。驚異的なのは、ルインスキーとスター検査官の両方に、牡牛座の月があり、クリントンの8ハウスの月とコンジャンクションしていることだ。乙女座にあるスターの火星と金星は、クリントンの月のノード軸とスクエアだ。そして乙女座にあるスターの火星と金星は、クリントンの12ハウスにある。ここにシナストリーが広がってきたのが分かるかな?自然の法則を扱うと、その法則はどこにでも現れる。
例として、最後の大統領弾劾事件、つまり、リチャード・ニクソンに話を戻そう。ニクソンは、10ハウスに冥王星があり、それは4ハウスの火星とオポジションだった。彼の月のサウスノードは1ハウス・天秤座にあり、そのサウスノードは6ハウス・魚座の金星によって支配されていた。ウォーターゲートで全てが決着することになったとき、冥王星は1ハウス・天秤座にある彼の月のサウスノードを通過していた。そしてそれは彼のサウスノードの支配星、6ハウスにある魚座の金星につながる。彼は公的な屈辱を経験したね?そして、これはどのようにクリントンの6ハウスを通過していた月のサウスノードとつながるだろう?相関関係が分かるだろうか?
ニクソンの場合、全ては彼の10ハウスの冥王星に反映されている。「私が大統領です」という彼の発言を思い出してくれ。これは「私の個人的アイデンティティの意識は、私の社会的地位と完全に結び付いています」という意味だ。彼の無意識の安心に対する全ての感覚を表す冥王星は、10ハウスの社会的地位の必要性によって定義される。彼の進化的な意図は、4ハウスにある冥王星対極点に反映される。ここには、進化的な意味で、新しい個人的アイデンティティの意識を必要とする一個人がいて、社会的地位とは無関係である。その彼が、彼の副官たち、そう、天秤座の月のサウスノードに反映されている彼の分身のようなイエスマンたちからウォーターゲートについて知らされたとき、どのような選択をしたかな?
冥王星は選択をする星でもある。もし彼が保身でなく、前進することを選択していたらどうなっていただろう?これが10ハウスの冥王星による自然な保守的反応だ。それはまるで幌馬車隊の輪の中に入ろうとする開拓者のようだ。そして幌馬車を輪の中にいれたいという気持ちが、いわゆる、彼の没落を引き起こした。だが、もし彼が他の選択をしていたらどうなっていただろう?
私が何を言わんとしているか分かるだろうか?ニクソンの弾劾危機は、4ハウスの学びを強調した。つまり、社会的地位抜きにして個人的アイデンティティの意識を見つけるということだ。ウォーターゲート後に彼がアパートを借りに行ったとき、アパート住宅地の人々は誰がそこに住むのか投票する権利を持っていた。彼らはニクソンをそこに住まわせなかった!それはさらなる公的屈辱だった。
この出来事がどうやって人々に、公的な地位とは異なる、私的で個人的なアイデンティティを見つけることを促したか分かるだろうか?これが、彼の4ハウスの冥王星対極点に関連付けられていた進化の必要性だ。。
屈辱という観点でクリントンとの類似点は何だろう?ときに、こういった類の案件は重大事件でならねばならない。それによって強固に固定したパターンの鍵を解除もしくは変更することが可能になる。出来事の重大さを決めるのは、本人の抵抗の度合いだ。
生徒:6ハウスに月のサウスノードがあるからといって、必ずしも大変動の出来事が発生するわけではなく、この場合、冥王星がクリントンの出生図の月のサウスノードを通過しようとしていたため、メディアでの彼の脚光が原因となり、必要以上に騒がれたということですか?
ジェフ:彼独自の場合においては、彼にやり方を変えさせるきっかけとなった大変動の出来事も引き起こした。
生徒:個人的なレベルで。
ジェフ:個人的なレベルだ。彼はようやく「私はできません」という言葉を発した。これは8ハウスの月が話している。「私は弁護不可能なものを弁護することはできません」とね。弁護不可能なものを弁護できない。ついにこの心理的な結論を引き出したとき、彼は変化した。しかし、それは大規模な公的な場での屈辱を経験することから可能になった。これらの出来事を通して彼の顔を見ると、彼が本当に変わったと気付かないかい?エネルギーと彼の考え方という点での真の変化だ。彼が突然、3ヶ月で10歳年を取ったように見えなかったか?それは非常に重要な変化だ。
もう一つ、別の象徴を見せよう。我々の大半は、クリントンの言葉遣いの習熟に気付いた。3ハウスの月のサウスノードと双子座の天王星だ。生まれつき熟達しているだけでなく、彼が他のことを意味してもまるで一つのことを話しているように我々が思うほど上手な言い回しなのだ。しかし、突然彼は、言い回しと受け答えという点で、言い訳がましく、散漫で、混乱するようになっていった。
現時点で我々全員にとって有益な演習となりそうなものは次の通りだ。トランジットの月のサウスノードは魚座から出てきたばかりだ。まず、過去18ヶ月間、あなたの出生図で魚座がどのハウスだったか考えてくれ。それは見かけの問題だ。より具体的に、それを実際の問題としてあなたの出生図の海王星につなげてみよう。これら二つの象徴を念頭に置いて、人生の過去18ヶ月間を振り返る時間を設けるのだ。さて、自分の人生と関連付けることができたかな(一時休止する)。
皆、関連付けができているかな? 自分自身の人生経験として見えたかな? (一同、同意する)それは何らかの信念を必要としたかな? それとも単に実際の経験を検証しただけかな?
占星術カウンセリングを行う予定の人向けに言うと、トランジットのノード軸はクライアントに、可能な限りの深い洞察を提供することができる。なぜなら、ほとんどの人は表向きの問題によって自分の問題を定義し、それが状況の全体性だと思ってしまうからだ。あなたがクライアントに実際の問題を示すことができれば、彼らに閃きを与えることができる。進化の過程という点では、他にも考慮すべき象徴がたくさんある。
占星術で最も深い話題の一つとして、また少なくとも占星術師があまり発展させていない話題として、全ての惑星ノード軸の問題がある。月のノースノードとサウスノードだけではない。 全ての惑星には独自のノード軸がある。
なぜ月に限定しなければならないのか?月に独自の過去の歴史があるとしたら、他の全ての惑星にも独自のアーキタイプの相関関係及び独自の過去があるということは理にかなっているね?過去はあなたを、あなたがいま生きている瞬間に向き合わせ、また次の段階へと導いてくれるのだ。
私は、全ての惑星ノードを使う必要があると思う。惑星のノードは出生図のどこかをを通過する。これがどれほど力強いものであるかに注目してくれ。もしあなたがある人の火星の歴史、金星の歴史、または水星の歴史などを知っていたら、そのクライアントを理解する上で、どのような深みを与えることができるだろうか?そして、惑星のノードがどこを通過しているかが分かるなら、出生時の惑星に与える影響がどのようなものになるのかが分かるのではないだろうか?ほとんどの占星家が単に採用していないだけで見過ごしている次元の解釈をあなたは採り入れることができるのだ。
ギリシャ人の間で占星術は盛んに行われていた。彼らはまた、数学や数の象徴に深く関わっていた。彼らが占星術の象徴に割り当てた最も高い数学的能力はノードにあった。彼らはノードに7という数を割り当てた。それは宇宙論では最も高尚な数だった。
生徒:それは全ての惑星ノードですか、それとも月のノードだけですか?
ジェフ:月のノードだ。だが、惑星ノードにも拡張する必要があるだろう。それは私が昨夜言ったことに関連している。本を読んでいて、そのとき読んでいる章を理解しようとしたら、私はきっと、その前の章を読むべきだろう。前に書かれた文脈の全てを理解することで、次の章をより良く理解するからだ。とてもよく似た方法で、各惑星のアーキタイプには、それぞれの話の中にそれぞれの章がある。そしてそれらの章は惑星ノードによって示されている。
生徒:つまりおっしゃっていることは、何かが起きるかもしれないタイミングについてさらなる情報を得るためには、惑星ノードのトランジットを見なさいということですか?
ジェフ:全体像を見なさいということだ。なぜなら、もう一度言うが、占星術は個人の現実の環境に関連して影響を与えるからだ。簡単な例を示そう。1920年代の大半、天王星は魚座を通過していた。この国(米国)の環境では、それは我々が「狂騒の20年代」と呼ぶものと互いに関連していた。ドイツの環境では、彼らがこれまでに経験した最も大規模な経済不況と互いに関連していた。パンを買うためだけに莫大なお金が必要だった。それが環境、状況、前後関係、つまりコンテキストだ!これが、万人に当てはまる公式はないという理由だ。今置かれている状況を理解する必要があるのだ。それが占星術の本質、つまり相関関係と観察だ。
生徒:惑星ノードについての質問があります。先生を通じて、ノード軸が持つ力を発見しています。先生の研究を取り入れるまで、私はノードの持つ力にあまり注意を払っていませんでした。惑星ノードは常に互いに向かい合っているわけではないということに気付いたのですが、合っていますか?
ジェフ:合っているよ。
生徒:ということは、トゥルーノード(真位置)を使用されていますか?
ジェフ:そうだ。私はいつもトゥルーノードを使う。
生徒:月のノードでは、先生はミーンノード(平均値)を使っていると思っていました。それは正確に反対側に位置するからです。惑星の場合もやはりトゥルーノードを使われていますか?月の場合はいつもその誤差は僅かと理解しております。
ジェフ:そうだ。知っていると思うが、他の惑星の動きは規則的ではなく、月とは異なるためだ。そしてノードとは、黄道に対して惑星が北または南を横切るときのことだ。そのため、規則的ではない惑星の運動に関連するので、惑星ノードは常に互いに向かい合っているというわけではない。私は月のノードにもトゥルーノードを使用している。
これを見てくれ。ちょうどトランジットの月のサウスノードが水瓶座に、そしてトランジットのノースノードが獅子座に変わったところだ。そして、そのトランジットは、集団的レベルにおける作用があるが、個人的レベルでの作用もある。まずは水瓶座の側面に焦点を当ててみよう。つまり、成長するためには今置かれている状態から自由になる必要があるということだ。他にも多くの要素があるが、水瓶座のこの一つの側面だけに取り組んでみるとする。そして、このトランジットの月のサウスノードが我々の出生図のどこで起きているのかを考えてみよう。あなたの人生においてどのような既存条件が、通過するハウスによって象徴されているだろうか?あなたはそこから解放されようとしているのか、それとも反抗しているのか?あなたは突然そこから心理的に分離していると感じているのか?自分の運命を何らかの形で管理するために、そして意味のある創造的な変化を生み出すために:獅子座のノースノードだろうか?
獅子座を通過する月のノースノードは、あなたが自分の人生をコントロールすることを要求し、それはまるでアーティストが最初にキャンバスに絵筆を置いたときのようだ。出生図のどこに獅子座の通過する月のノースノードがあっても、そこが、自分自身の絵を描き始めなければならない場所であり、また今置かれている状態から自分自身を解放しなければならない場所でもある。あなたの現在の出生図のどこにこのトランジットのノードがあるのか考える時間を取ってほしい。
勇気があれば、更にトランジットの月のノードの星座の支配星を見つけてほしい。出生時の天王星は、あなたが解放されたいと思っている過去の清算されるべき何かともつながる。出生時の太陽について考えてみてくれ。トランジットの月のノースノードを支配している。それはどのハウス、どの星座にある?どのようなアスペクトを形成している?これは、今現在の人生の感情的状況を理解するために必要な、核となるスナップ写真であり、あなたにその要点を理解させるのだ。
生徒:太陽が天王星とコンジャンクションを形成しているならば、過去と未来に関連性がある…
ジェフ:それらは同じものになる。そこでの真の問いは選択についてだ。過去を反映する選択をするのか、未来を反映する選択をするのか。
水瓶座には他の側面もある。突然あなたの意識の中に、物事の本質を見抜く感覚が入ってきてあなたの過去につながる。だがそれはまた突然どこからともなく入ってきて、あなたの向かう先を反映したりもする。これらは典型的な天王星の手法で作用する:ただ脳に現れるのだ。次の18ヶ月間、月のサウスノードが水瓶座を通過することにより、我々全員がこのプロセスを通じて、感情の高まりと、人生の状況から心理的に切り離される意識を経験し始めるだろう。
そういう意味で、まるで人生を映画のように感じたり、体験し始める。画面で起こっていることと観客席との間に距離を感じるのだ。次の18ヶ月間、この切り離された方法で人生体験することの進化的な意図は何だろう?
生徒:見通しを与えるということですか?
ジェフ:そうだ。見通しは客観化から得られる。水瓶座だ。そして、客観化は分離によってのみ可能だ。それがまさにその意図だ。このプロセスを理解していれば、扱いは簡単だ。なぜなら、離れていると感じることは、一部の人々を非常に混乱させることがあるからだ。「私は自分の人生に完全に関わっていると思っていましたが、突然、本当に全てから切り離されていると感じています。なぜでしょう?」と、混乱している人々は、このトランジットの意図を反映しない結論を出したり、行動を取ったりすることがある。
あなたがカウンセリングを行う占星家であり、これらトランジットのノードの潜在的なアーキタイプを知っていたら、クライアントがこうした感情を抱えてあなたのところに来たときに、彼らを助けることができるだろう。彼らに特定のトランジットによる事象を明確に説明することができる。月のサウスノードが水瓶座を通過することによって刺激された分離により、我々全員が自分の生活についてより客観的になるので、自分の置かれている状況をより良く、そしてより明確に見通することが可能になる。より一層明確となった視点は、我々が自分自身を管理し、成長するために、そして自分が必要とする人生を創造するために、何を変える必要があるのかということを理解するのに役立つのだ。
私の言うことが分かるかな?これは皆にとって心地よいプロセスになるとは限らない。なぜなら、 トランジットの月のノードは、月の性質、つまり安全・安心とは何かという問題を扱うことを意味するからだ。この中で何人が本当に不安を受け入れたいだろうか? 月の性質を扱う際、我々は自分自身の自己像を扱い、それを日常生活にどのように統合するのかということに対処する。我々は感情的な現実を扱う。そして、これら全ては、水瓶座を通過中の月のサウスノードを介して、水瓶座のアーキタイプの影響を受け始める。
この中で何人が、人生から完全に切り離された気分を味わってみたいかな?(一同、笑う)
生徒:そのように感じていて自分が最近、頭がおかしくなったのではないかと思っていました。しかし、それは単なる分離なのですね。
ジェフ:そうさ! トランジットの背景にある意図をただ理解すれば、その視点を維持でき、過剰に反応することはないのだよ。
生徒:なるほど。納得です。
ジェフ:そうだろう。冥王星が射手座にいる今、特に厄介なことになる。なぜなら、射手座、木星、9ハウスの側面の一つとして、我々がどう人生を解釈し理解するのかということがあるからだ。そして、ほとんどの人は、人生を、自分が既に持っている信念を背景にしながら理解する。その信念とは、もちろん過去に根ざしたものだ。
ここに例をあげよう。射手座は主に右脳、つまり非直線的で直感的な脳と相関関係があるということを覚えておいてくれ。左脳は直線的であり、短期記憶につながっている。冥王星が射手座に入って以来、さらに多くの人々が「心ここにあらず」になった。あなたが電話中だとしよう。そして、3分前の発言を思い出せない場合を考えてみよう。それは、我々の集団意識の重心が右脳に、非直線的な脳に移るからだ。
これは特に面白い点だ。なぜなら、我々の文化が恐れているのは、アルツハイマー病であり、そのことから、多くの人が結論を急ぐからだ。「私はアルツハイマー病を発症しているに違いない」という結論だ。しかし、この一見「心ここにあらず」が反映しているものは何かというと、意識の中心を左脳から右脳へと移すための革新的な進化の必要性だ。水瓶座と天王星は、脳全体と樹状突起に接続している。新しい樹状突起が作られるとき、脳は進化している。腑に落ちる経験(アハ体験)をするたびに、新しい樹状突起が作られる。集団意識の重力を非直線的である右脳に移すことは、脳の進化を加速する必要性を反映するのだ。
生徒:水瓶座・獅子座を通過中の月のノードの件ですが、トランジットの水瓶座サウスノードを通って、分離し、物事の見通しを得るのだとジェフ先生はおっしゃいました。ということは、トランジットの獅子座ノースノードは、獅子座ノースノードがあるハウスにおいて、新たな創造的な実現の原則となるのですか?
ジェフ:そうだ。覚えているかな?飛行機の中で、自分の仕事の方向と指向を大幅に変更する決断を下したという私自身のケースの説明を。ここで月のノースノードとつながるのだ。
・・・・
まだ他にも考慮すべき進化の過程の象徴がある。出生図に出生時の惑星ノードを配置すると、以前には見られなかった側面が見つかる。そして惑星ノードのトランジットを調べ始めると、さらに他の方法では見られない側面が見えてくる。
例えば、トランジットの火星のノード軸が出生時の火星にスクエアになり始めるとどうなる?ほとんどの占星術師はこの種の象徴を見ない。だが、あなたはそれを見ることができ、その象徴性が何を意味するのか理解できるのだ。
生徒:火星のノード軸が出生時の火星にスクエアのとき、サウスノードもしくはノースノード、どちらに注目していますか?通過中のノードはオポジションではないので、どちらがより重要ですか?
ジェフ:私にとっては常にサウスノードだ。我々の大半は常に過去によって定義されているからだ。
生徒:オポジションではないとおっしゃる意味が分かりません。反対に位置していませんか?
ジェフ:いや、トゥルーノードではそうならないよ。
生徒:トゥルーノードは互いに向かい合っていないのですか?
ジェフ:いないよ。なぜなら惑星の動きは規則的ではないから。
生徒:しかし、それは軸上にあります。だから、180度ではありませんか?
ジェフ:軸は、惑星の軌道の平面でなく、実際に黄道の北または南を横切るタイミングで決定される。それが惑星の動きを考慮に入れなければならない理由だ。惑星の運動は月の動きのように規則的ではないから、惑星ノード同士が反対側になることは滅多にない。まだ進化の過程の話をしているところだが、ここでもっと基本的な占星術の話をしてもいいだろう。
古典的な土星の周期はドラマチックだ。これを基盤に我々は人生を生きるのだ。土星は地球上での我々の人生体験につながる。文字通り、我々はこの惑星の表面である土に足をつけている。土星は、あなたの生まれ持った意識がどうやって条件付けられるのか、つまり幼少期の親の環境の性質から元々どうやって条件付けられるのかと関係している。土星によって支配されている山羊座は蟹座にオポジションの位置であり、あなたの最初の刷り込みまたは条件付けは、あなたの両親を介してやってくるのだ。
それはまた、過去世から、無意識の記憶の性質を介してやってくる。年齢を経るにつれ、つまり7歳頃の出生配置への最初の土星のスクエアの際、この条件付けプロセスは、文化や死にゆく運命を意識し始めることで加速される。この部屋にいる皆は「私はアメリカ人です」と言うだろう。それはどういう意味だろうか? 「私は原住民です」または「ナバホ族です」または「チベット人です」と言うのとはかなり異なる。これらは土星的な発言であり、あなたの現実意識を左右するもの──土星だ。典型的なアメリカ人の「現実」は、典型的なチベット人のものと同じ現実だと思うかな?それは、私たちの個人的かつ社会的な現実意識である土星を定義するある種の条件付けと単純に似ている。その現実意識は、それ自体が進化の過程を辿るものである。土星のトランジット、特に土星の出生位置へのスクエア、出生位置へのオポジションそして出生位置への回帰を通して。
これらトランジットのアスペクトは、およそ7歳、14歳、21歳、28歳で発生する。具体的には、各人の実際のタイミングについて確認する必要がある。これらトランジットのアスペクトは、人間の意識の発達におけるアーキタイプが移り変わるような出来事または機会を表している。そしてそれは、個人の意識の条件付けとは無関係だ。言い換えれば、その人物がアメリカ人かチベット人かとは無関係である。生まれ持った意識はこうやって作用するのだ。
土星の周期を見てみよう。およそ最初の21年から28年の間、ほとんどの人は、現在の社会的および親の条件付けだけでなく、過去世からの無意識の記憶にも関連して、多かれ少なかれ自分の人生を定義することになる。ほとんどの人はその時点では、今世の目的に対して本気で準備をしていない。多くの人々にとって、最初のサターンリターン(土星回帰)が本当に大変なものになるのはそのためである。なぜなら、自分の周囲にある種の土星的な現実を作り上げている人生の選択を既にしてしまっているからだ。 その現実と選択に対し義務と義理を感じており、それらによって自分自身が定義されているのだ。それから最初のサターンリターンが訪れ、もし今世の目的に準備ができていなければ、行き詰まりを感じる──土星だ。抑鬱と徒労感に見舞われるサイクルが始まるかもしれない。
ほとんどの人は、28歳または29歳の時点で、人生の真の目的を反映する決定を下す勇気を持ち合わせていない。最初のサターンリターンの少し前に、プログレスの月が初めてその出生位置に戻る。そのため、感情的なレベルでも厳しいかもしれない。逆に、準備をし、自分の必要な方向に進んでいる人たちは、最初のサターンリターンは通常、準備したことの実りまたは実現をもたらし、信じられないほど前向きな形でそれらを体験できるのだ。
例として、私のケースを再び使用しよう。
私は24歳のときの二度目のジュピターリターン(木星回帰)時に占星家にならなければならないと知らされた。信じてくれ、今世において占星家になることは私の意識的な選択ではなかったのだ! しかし、その時、私の12ハウスには木星があり、占星家にならなければならないと知らされたとき「いいでしょう」と私は言った。私の人生の旅は神にまつわるものなのでね。だが「神よ、私が占星家になることがお望みなら、私に占星術を教えてください」とも言った:再び木星の登場だ。次の6年間、私は占星術の夢しか見なかった。こうやって私は学んだ。世界のどこに住んでいても「無料チャート」という看板を掲げ、夢で見たことを経験的に検証したのだ。
私はこの準備を24歳で始めた。そして、最初のサターンリターンの日でもあるシアトルに引っ越したある日曜日、ことは起きた。通りを歩いていたら、とても小さな占星術の本屋があった。できたばかりのようだった。日曜日だったので誰もいるはずがなかった。でも窓越しに覗くと店主さんがいた。彼女は私に手を振って招き入れ、そこでなんと。その日、私はプロの占星術師として最初のセッションを行うことができたんだ。私の最初のサターンリターンのまさにその日に! これは、準備をしていたら、何か起こるかもしれないという一例だ。
他にも、自然な12年周期の木星周期がある。周期の中の周期が見え始めているかな? 繰り返すが、これらは社会的条件付けとは無関係に機能する自然の法則だ。ところで、木星の幻想の一つを排除してみようか。なぜなら、占星術本に頼っている人のほとんどは、木星は純粋な好機と結び付いており、魔法のような成長を起こしてくれると学んでいるからだ。だが、そうではない。木星は、ガネーシャと呼ばれるヴェーダーンタの神に実際に関係する。あなたに好機が訪れる前に、木星は通常あなたの人生から何かを取り除く傾向がある。そして、その除去を通して、あなたに成長する機会を与える。木星は一般的に成長の概念に確かに関連するため、ここで進化の問題が暗示される。だが成長するには、もう一度、典型的に何かがまず除去される必要があるのだ。
この中で、実際の好機の前に、まず何かが除去される必要があったという木星トランジットを覚えている人は何人いるかな?
もう一つ、西洋占星術で本当に過小評価されている素晴らしい進化の周期は、火星周期だ。火星が冥王星の低オクターブであることを覚えておいてくれ。「低オクターブ」とは、より高密度の振動(注釈4)を意味する。火星は、冥王星を介して、魂と人生の意図全体につながる。そうなると火星は人間の魂の進化的衝動のより密な振動のようなものだ。それは低オクターブで、魂の主観的な認識である。火星は、毎分、毎日、毎人生、冥王星から現れた欲望を実行に移しているのだ。
我々の大半は魂を意識していない。我々は魂が生み出す効果を通じてのみ、真に魂を認識する。欲望は利己的な個性を通して、また火星を通して、意識に現れる。これらの欲求は、通常、何か新しいことをする本能または衝動として現れる。
これが、古典的な占星術の本において、牡羊座、1ハウス、火星は自由が必要だと書かれている理由だ。なぜなら、牡羊座と火星は、魂から現れた欲望に基づき行動する自由が必要だからだ。何かになろうとする継続的なプロセスなのだ。それが火星体験だ。あなたは行動する衝動に気付く。それも火星だ。2年周期だ。始まって2年後には最高潮に達し、また再び始まる。火星の周期は、木星の周期、土星の周期、および他の全ての惑星の周期の状況で見る必要がある。
クライアントの多くは本当に未来を知りたいと思っている。「私の将来について教えてください」と。もしその周期の側面を占星術に本当に取り入れたら、「未来」を見る方法は書物で読んだことより無限に複雑になるということに気付き始めたかな?
「トランジットの土星があなたの6ハウスにある」ということに焦点をただ当てれば良いのではない。それはことわざで言うところの、氷山の一角を見るようなものだ。
生徒:火星の周期に戻りますが、今、私は、マーズリターン(火星回帰)を他の諸々と一緒に経験中です。火星は行動する衝動なので、2年ごとに行動したいという新しい衝動が生じるとおっしゃっているのですか?でもそれなら、毎回同じ星座に戻ってくる、ということですよね。この仕組みがどうも理解できません。
ジェフ:なぜならその象徴内で進化が起きるからだ。しかし、象徴は静的ではない。静的なものなど何もない。出生時の火星がどこであろうと、あなたの元々の衝動がある。それは人生の衝動であり、出生時の冥王星に帰する。それは人生の声明だ。だがまた、その火星もしくは他のどんな象徴にも、あらゆる可能性が秘められている。その潜在能力全体の発達は、時間の経過とともに起こる。火星の周期は次第に、出生時の火星の潜在能力全体をより深い次元に解き放つ。 2年ごとにこの機会が与えられ、さらに発展していくのだ。
生徒:もう一度おっしゃっていただけますか? 申し訳ありませんがよく分かりません。
ジェフ:目の前に1冊の本があると想像してくれ。この本に全てが書かれている。それが出生時の火星だ。
そして今、最初の火星が2歳のときに回帰すると想像してくれ。まだ数ページを読んだところだ。人生を通して、2年ごとに、本全体を読み終えるまで、さらに数ページを発見していく。もう分かるかな? 分かる? 良かった。
さて、まとめる前に、最初の部分に質問やコメントはあるかな?
生徒:火星は魂の欲望であるとおっしゃいました。それを金星と比較していただけますか?
ジェフ:火星は、魂の欲求に基づいて行動したり決定したりする。金星は、個人の生命の内側にある本質的な必要性と関連する。その必要性は、魂の進化の意図を促進するのだ。例えば、金星が自分自身との内面での関係と関連することを、この中の何人が学んでいたかな?
あなたがたの大半は、金星は対人関係であると古典的な占星術の本で学んでいるだろう。だが金星は、自分自身との関係にも関連するのだ。進化の観点から、金星はなぜこの星座で、なぜこの星座ではないのか、という問いが出てくる。
例えば、あなたが乙女座の金星と共にこの世に生を受けたとしよう。それがあなた自身との関係性を定義する。進化の観点から見た場合、なぜ今世におけるあなたの自分自身との関係はこのようなものなのだろうか?どのようにこの関係性があなたの進化の意図全体とつながるのだろうか?
この問題にはこうやって取り組みたいものだ。進化という視点を持って取り組めば、自らの信念体系からくる判断や批判を留めることができる。なぜなら、そうすると私たちは物事をただありのままに見ることができるからだ。どうせならこういう姿勢のカウンセラーに会いたいと思わないか?ありのままのあなたを見てくれる人だ。そのままのあなたを認めてくれるのだ。決して、彼・彼女の信念体系をあなたに投影してくるような人ではなく。
ドラマチックな例を挙げよう。もう聞いたことがある人もいるだろう。 私のクライアントの話で、私の記憶が正しければ、出生時の冥王星のオポジション(冥王星対極点)を火星が通過中だった。彼女は出生図にもたまたま火星と冥王星のオポジションがあったので、火星回帰(マーズリターン)も経験中だった。彼女が会った占星術師は彼女に言った。「次の6ヶ月間、家に留まる必要があります。 家を出たら、レイプされます」と。
そんなことをあなたが言われたと想像してみてくれ!
出生図にある占星術のエネルギーが、クライアントの進化の意図に、どう当てはまるかを見てほしい。火星と冥王星に対する自分の信念体系をクライアントに投影するのではなく。
金星の役割は究極的に、どうして今世にこのような自分自身との関係があるのか、また、どうやってその自分自身との関係がトランジットに応じて変化していくのか、ということにつながるのだ。それが進化の意図だ。
他に質問やコメントはあるかな?
生徒:太陽が次の18ヶ月間、とても重要に見えます。なぜなら月のノースノードが獅子座を通過しており、獅子座の支配星が太陽だからです。それについて少しお話しいただけますか? 太陽は出生図の統合化ですよね? そして、獅子座を通るこのノード軸のトランジットにおいて、どうやって我々は太陽に重点を置くのですか?
ジェフ:月のサウスノードが通過している星座の支配星である天王星ということで、我々の出生時の天王星もそうだね。
生徒:そうです。
ジェフ:繰り返すが、なぜ重点が置かれるのかを理解するには、その前後関係を理解することだ。つまり、この場合は、太陽についてだ。そして、水瓶座を通過中の月のサウスノードを理解することから始めなければならない。より客観的になるには、今世の環境に距離を置く必要性がある、という先程の話に戻る。この客観化プロセスを通じて、我々は成長するために何を変化させる必要があるかにやっと気付く。いったんその知識を得れば、我々は太陽に近づくのだ。
そうして我々は、これら頭で分かった知識を、進化して統合するために、実際に生かしていく。それが次の18ヶ月間の(トランジットのノースノードがある獅子座の支配星としての)太陽の行動だ。
生徒:クライアントに会うときは、そこが大きな要素を占めますね。
ジェフ:そうだね。こういった特徴がクライアントの出生図のどの部分にあるのか正確に見るのだ。全体的なアーキタイプを理解し、それを各人固有のものにするのだ。
生徒:他の惑星ノードはどこで調べられますか?
ジェフ:出所はほんのいくつかだ。 一つは、惑星のジオセントリックノードを表にしている「ソーラーファイヤー占星術プログラム」だ。アルフィー・ラボア(Alphee Lavoie)がそれらを彼のエア(AIR)ソフトウェアプログラムに組み込むと聞いている。
火星のトランジットについてもう少し話したい。先に述べたように、ほとんどの人は人生における火星の役割とその影響を実際、過小評価している。その周期を観察すれば、どんなに印象的かすぐ分かる。なぜなら、いろいろな理由で、火星は「何者かになろうとする」我々の継続的な状態の経験とつながっているからだ。実際には、トランジットの火星は、瞬間瞬間の進化的変化の最前線にいる。なぜなら、トランジットの火星は出生時の火星につながり、出生時の火星は出生時の冥王星につながるからだ。
トランジットの火星は常に、出生時の火星につながる。そして出生時の実際のハウスや星座につながる。またそれらがどうやって魂の進化欲求を反映するかにつながる。それは出生時の冥王星により明確に象徴されている。ここでもう一度、自分の人生を説明に使おう。ある日、トランジットの火星が私の出生時の冥王星に順行しながらオポジションを形成した。私の出生時の冥王星は9ハウスに、そして火星は3ハウスだ。
私はマウイに2年間住んでいた。 ハワイに住んだことがある人なら、あそこでは大しで運転はできないことが分かるだろう。島に閉じ込められた状態だ。
ボルダーに引っ越して間もない頃、フェニックスで講義をしなければならなくなった。そして射手座の男性として私は言った。「やっと車でどこかに行けるようになった!」と。
それで私はブロンコに乗り、フェニックスまで車で行った。帰り道、トランジットの火星が私の出生時の冥王星にオポジションを形成した正にそのとき、一人の女性が時速70マイルで路肩から私を追い越そうとしたのだ。
3ハウス・水瓶座の火星が、私の出生時の9ハウスの冥王星とオポジションの位置を通過中であったことを考えてみてくれ!
彼女はブロンコの右後部パネルにぶつかり、ブロンコはまるで戦車のようだった。スピンしたかと思ったら、州間高速道路を横切り5回転した。私の首は折れたと人々は思った。救助隊は薬の類を私の体に大量に投与し、私はヘリコプターで搬送された。これが私にとってどんな体験だったか想像してみてくれ。なぜなら、私はベトナムにいたことがあり、ベトナムはヘリコプターだらけで、しかも私はそこで捕らえられた経験があるのだから。
薬が体に入ってきた途端、私の意識はベトナムに飛んでいた。私は1996年当時のヘリコプターにも、その衝突事故が起きた時間にもいなかった。ベトナムの光景がフラッシュバックしていたので、気が狂い始めた。なぜなら、首が折れていると思われたせいで、私は拘束され、ストラップで縛りつけられていたからだ。この激しい、大変動型の進化的出来事が火星のトランジットによって引き起こされたということに注目してほしい。
ということで、火星のトランジットを過小評価しないように。自分の人生においてそれらを観察してみてほしい。
他に質問やコメントはあるかな?
何か使えそうなもの、持ち出せそうなもの、クライアントに応用できそうなものは見つかったかな?
良かった!ありがとう。
注釈1:バルサミック型のコンジャンクション:コンジャンクションに近づいている状態。
注釈2:新しい段階のコンジャンクション:天体がコンジャンクションになった後のだんだんと離れていく状態。
注釈3:原文では“natural ruler is Aries”、natural sign(ナチュラルサイン)の支配星のことを言おうとしたものと推測される。
注釈4:“「低オクターブ」とは、より高密度の振動を意味する。”とあるが、ここでいう高密度の振動とは物質的密度の高い振動のことではないかと推測される。
「低いオクターブとはつまり、高い周波数を濃厚な表現方法で表す、と言い換えても良いだろう。」—『冥王星: 魂の進化成長の旅路』ジェフリー・ウォルフ・グリーン著
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原文:Evolutionary Transition | School of Evolutionary Astrology – Jeffrey Wolf Green https://schoolofevolutionaryastrology.com/articles/evolutionary-transitions
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