逆行天体シリーズ#4『火星逆行』

このシリーズはSchool of Evolutionary Astrologyのサイト上など一般に公開されている英語記事を翻訳し、ご紹介するものです。
引用・転載は、出典を明記の上、お願いいたします。

逆行する天体の進化における意味

火星の逆行

火星の本質は、陽、男性の原理、外向きに投影することだ。そして他の惑星の逆行と同様に、内向的または内省的であろうとする逆行の原理が見られる。火星は本来、制限されることを望んでいない。火星は、魂から発せられる真の欲求を反映している本能的なプロセスだ。

こういった欲求そのものが、魂の進化の旅路を反映している。そして、できるだけ制限されずに主張したり、経験に基づいた行動を取ったりするという本能的な必要性の反映でもある。経験に対してどのように反応しているかを気付けるようになるだろう。この経験に対する反応が、知識を生み出すのだ。火星には意識的な意図はなく、あらかじめ何かを考えたり、何かに用心したりすることもない。火星は魂からの欲求を反映した完全に本能的なプロセスだ。

ところで、火星と冥王星のつながりは、インド思想のマーヤー(分離の錯覚)の背景にあるアーキタイプである。マーヤーとは、個人的なパーソナリティーの階層においてのみ認識できる魂の主観的なエゴである。また、火星は性的本能を体現している。欲求の性質や、行動の動機となる意図、経験の動機となる欲求、そういったものを監視している意識が、我々には確かにある。したがって、この衝動が逆行するとフラストレーションを引き起こす可能性がある。火星の逆行の意識は、自然な本能の流れを妨げ、問題を引き起こす可能性があるだろう。

進化の観点から述べると、火星逆行の魂の意図は、魂の進化の目的に不可欠な経験をひとえに具現化していくことにある。それゆえ、ぐずぐずしている暇はない。(順行の)火星はピンボールマシンと似ている。レバーを引くとボールが飛び回り、あちこちにぶつかりながら時間をかけてやっと目的地に辿り着く。作用・反作用、作用・反作用というふうに。しかし、火星逆行が唯一望むのは、何でもあれこれ体験することではなく、本質的な経験に参入(イニシエーション)することなのだ。

では、そのようなアーキタイプの人が自由を重視する文化の中で、自分と正反対の行動をする周囲の人々を目の当たりにしたら、自分と周囲を見比べて何が起きるだろう?外的な性的本能に対して何が起きるだろうか。その本能と関連した性的リズムはどうなるだろう。それは一定だろうか、それとも変動するのか。性的魅力の背後にある欲求の自覚に対して、どんな影響があるだろう?

このことは、自動チェックやフィルターのような機能を生み出し、普段は無意識であるアーキタイプが、意識的な気付きを得ることにつながる。ただ、それは火星を非常にイライラさせる可能性があるだろう。

生徒:それは性的機能障害を起こしますか、それとも少しの影響で済みますか?

ジェフ:場合によっては性的機能障害や、ラビット症候群を引き起こす可能性がある。(注釈1

生徒:この場合、火星逆行の人々は、本能的なレベルやプロセスに多くの責任を持っていて、それを意識的に取り組んでいるということですね。逆に、火星が順行している人は、通常、そのような責任を持ち合わせていないと思われますか?

ジェフ:彼らも責任を持ち合わせているよ。もちろん、これは他の惑星やサインとの関係によって条件付けられるだろう。例えば、火星が土星にアスペクトしていると、そういった責任を生み出すだろう。

生徒:つまり、より個人的な感覚としては、文化的に正しいかどうかよりも、魂にとって正しいかどうかがポイントになるわけですね。

ジェフ:その通りだ。それがポイントだ。 また、火星は明らかに、その人個人であるための権利を重要視するだろう。そして自由の必要性に重きを置くだろう。スピリチュアルな観点から見ると、火星は個人の意志を自己中心的なレベルに調整しようとする。火星は、より高い意志を持っている。

生徒:火星が冥王星とアスペクトを形成していたら、尚更ですね。

ジェフ:そうだ。そのアスペクトは衝突に発展しかねない。自分の意志と他人の意志との狭間で強調されるので、他人の意志の影響を非常に受けやすくなるのだ。火星は、冥王星と共に臍のチャクラを支配している。臍のチャクラとは、環境を通して他人の意志を取り込む場所である。(注釈2

つまり、火星の自然な作用は外向きに投影することにあるため、我々は他者の意志を妨げるような自然な反発力を持っている。そのため、火星逆行の人はその外向きに投影したものを、今度は自分自身の内部に戻そうとするのだ。このことは、恒常的または周期的に、体質を弱めていくことにつながるだろう。また、このチャクラから発した神経は、胃、膵臓、十二指腸、肝臓といった消化につながるため、消化系の問題を引き起こす可能性もある。

生徒:火星が1ハウスまたは6ハウスで逆行している場合、その影響は強まりますか?

ジェフ:その影響が強まるのは、4ハウスや8ハウス、または蠍座や蟹座で火星が逆行している場合だ。

生徒:火星がハウス、サイン共に精神的な位置に入っている場合はどうなりますか?

ジェフ:意志の衝突によって、様々な口論が起きる可能性があるだろう。

生徒:7ハウスの双子座の火星のように?

ジェフ:そうだ。したがって、火星の逆行を理解する上で鍵となるのは、魂の意識を反転させ、魂が持つあらゆる欲求の元となる原因や理由を決定できるようになることだ。その結果、火星が逆行するときには、進化の旅路の途中にいる魂は、自分の必要としているものとは関係のない、全ての不要な欲求を排除することを望んでいる。

これには、魂の自然な性的エネルギーを反転することも含まれている。この反転によって、魂が必要と感知した、あらゆる欲求の原因や理由を決定付けられるようになるからだ。

同様に、トランジットやプログレスでの火星逆行においても、性的欲求も含め、これまでの人生の創造につながったあらゆる欲求の原因や理由を決定することが必要になる。

その結果、魂は進化の旅路を続けていく上で、本当に必要なもの以外、人生から取り除いたり変更したりすることを望むようになる。

これまでに魂を現状に導いてきた(しかし現在は不要になった)ものを排除する過程で、魂は、進化には何が必要で、何を望んでいるのかを正確に反映することになる。したがって、火星逆行は、そういった目的のために魂が新たな強い欲望を生み出すことができる機会となるだろう。そして魂は、その意志である火星を介して、願望を実現するために自由を求めるのだ。こういった理由により、トランジットやプログレスにおける火星逆行は、魂が心機一転する時期と関係して様々な現れ方をする。火星が逆行すると、魂そのものである冥王星に向かっていくのだ。

  • 注釈1:ラビット症候群は、精神神経症の一種。舌の痙攣や口腔内の筋肉の機能障害。
  • 注釈2: 臍のチャクラは、「第二チャクラ」「スワディスターナチャクラ」「セクシャリティチャクラ」とも呼ばれる。臍の少し下の丹田の辺りである。

訳:ベッソンちづる(Chizuru Besson)

校正:相原あすか、相良有里

監訳:佐々木りさ

原文:The Evolutionary Meaning Of Retrograde Planets  | School of Evolutionary Astrology – Jeffrey Wolf Green

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<School of Evolutionary Astrology 『逆行する惑星の進化における意味』より火星部分を抜粋翻訳>